-Road to THE FINALS- 滋賀レイクスターズ プレイオフ特設ブログ2012

VOICE OF LAKES #32―小川伸也

VOICE OF LAKESならびにプレイオフブログの最終回をお届けします。
今季、キャプテンとしてチームを支え続けた小川伸也選手の声をお届けします。
プレイオフ・ファーストラウンドの福岡戦では肩を痛めながらも翌日に復帰、沖縄戦も最後まで戦い抜いた我らがキャプテン・シンヤ。
今季、何を思って戦ってきたのか、来季はどう戦うのかを、聞きました。


VOICE OF LAKES #32―小川伸也


―今季の振り返りですが…。

正直言うと、負けたのであまり振り返りたくないです。
毎年、プレイオフで負けると、直後の数日間は本当にバスケットボールを見たくなくなるんですよ。
完全にそこから離れる時間を作っていたりしますから。

―沖縄に一歩及ばなかった部分、それは何なのでしょう。

ボールへの執着心ですね。
ここに集約されます。
沖縄ももちろん、昨季優勝した浜松も、この執着心が半端じゃなかったです。
そこが最後に出ました。

―沖縄での2戦は、昨年とは違い、いずれも4Q半ばまで接戦を演じていました。しかし、そこからリバウンド、特に遠めに弾かれたボールがことごとく沖縄に出ていた印象を受けています。その理由はなんでしょう。

(胸を指して)ここです、ここ。
これは戦術云々ではないです。
本当に執着「心」なんですよ。
沖縄はそこがシーズンを通して徹底していた。
決して、僕らがそこをやってなかったわけじゃないんです。
ただ、ボールがリングに当たった瞬間に、ゴール下にいる選手以外が「次のこと」を考えてしまっていたのは否めません。
「速攻しなきゃ、あそこに走って…」「次のプレイは」…。
でも、ボールへの執着心があれば、5人全員がまずボールの確保に向かうはずでしょう。
そこなんですよ。
以前もそう言ったと思いますが、プレイオフはそういう戦いなんです。

―今年はシャッフル・オフェンスを導入したシーズンでした。まだ、頭で考えてから、という部分が大きかったのでしょうか。
それは言い訳になるのでそうは言いたくありません!
…が「頭で考えていてはダメ」というのは事実です。
バスケットボールは展開の速いスポーツなんです。
その局面、局面で最善の判断をしなくちゃいけない。
体が勝手に動くようでないとね。

―来季に向けて、ここが課題だとすると、どうやってここを鍛えるべきなのでしょう。

もちろん、選手個々にそういう意識がないとまずダメです。
それに加えて、普段の練習から球際への意識を高めていくこと、その両方が必要ですね。
これは根間(洋一AC)さんに聞いた話なんですが、沖縄のコーチングスタッフは昨年、浜松に負けた原因を球際の強さの差だと分析して、一年間ここでは負けないように、とずっと取り組んできたそうです。
そして、結果は優勝。
もちろん、それをそのままマネしたらレイクスが勝てる、というほど簡単な問題じゃないですが、その方向性は間違ってないと思います。
浜松の大口(真洋)さんや、沖縄の並里(成)は球際に強かった。
ああいう選手にならないと優勝はできないのかな、と思いましたね。
バスケットボールは華やかじゃない部分がすごく大事なスポーツでもあります。
例えば沖縄戦でも、結果としてはリバウンドをとられたとしても、僕らがオフェンスリバウンドにからんで、一つ弾くだけで、拾えなくても速攻を止めることができたと思います。
気持ちよくリバウンドをとられたら気持ちよく走られますからね。

―さて、今年はキャプテンを初めて務めたシーズンでした。そこについては。

もう、ひっそりと、みんなをはじっこから見てました(笑)
…というのは冗談ですが、経験のあるワラさんやJさんが普段からしっかり、僕の見えないところで、足りないところを補ってくれていました。
で、そこを僕も見てないけど知っていると。
そんなような状況でしたね。
シーズンは、ヘッドコーチを先頭に、みんなで優勝という目標に向かって歩いていくようなもの。
僕はそこで、一番後ろでみんなを見ながら歩くイメージですね。
後ろから見ていて「あ、こいつ、列から外れそうだな」と思ったら「ちょっと、ちょっと」と声をかけてまた列に戻す感じ(笑)
チームがうまくいっていないときは必ずありますし、選手が調子の悪いときもあります。
そんなときに食事に行ったり、2人で話をしたりしてね。
で、ごくたまに、前に出ます。
いつも前に出てると、みんなが見えないですから。
ハーフタイムで、ロッカールームで一言、というのも、たまーに言います。
普段、いつもは言いません。

―それが、シンヤ選手のやり方なんですね。

学生時代もキャプテンをしていましたけど、僕がやるときはだいたいこんな感じです。
ましてレイクスは大人のチームですし、外国人選手もいます。
「こうしろ」と押さえつけるのは無理ですし、レイクスはそうやって全員を同じ「色」にしようとするチームではない。もちろんそういうやり方のチームもあるでしょうけど、うちの(アラン・ウェストオーバー)コーチはそういうコーチじゃない。
選手それぞれの個性があって、いろんな色がある。
その色を出して、初めてチームは強くなるんです。


―来季への決意を。

来季のチームの形がまだ見えていない現時点で、なんとも言えない部分がありますが、レイクスはアランコーチによって土台、基礎といえる部分を築きつつあります。
チームとしても、個人としても、成長できた実感はある。
僕としてはとにかくもう負けたくない。
有明の舞台に立ちたい。
有明に行って、ファイナルズを目に焼き付けておこうかなともちらっと思いましたが、やっぱりやめました。
有明は、見るために行く舞台じゃない。
そこに、戦いにいく舞台なんだと思って、
これからも戦います。
応援、よろしくお願いします!


(編集後記)
シンヤからは、悔しさが伝わってきました。
ただ単純に敗れた悔しさに加え、アランコーチという確かな軸を得た今季は個人として、チームとして、確かな成長を感じながら、それゆえに優勝チームとの差もはっきりしたといいます。
昨季の終了後は「原因が多すぎて、はっきりつかめなかった」と振り返っていたシンヤにとっては明確な課題を発見したシーズンだったのかもしれません。
同じコーチングスタッフで戦う来季、どうこの課題を解決していくのか。
しかし、問題は発見できた時点ですでに、半分解決しているといいます。
シンヤが来季もキャプテンを務めるかどうかは未定ですが、この課題解決に取り組んでくれることは間違いないでしょう。

このプレイオフ特設ブログは、本エントリーをもって最終回となります。
ご愛読、ありがとうございました。
ぜひ、来季こそは、有明のファイナルズ進出、そしてレイクスの優勝をお伝えしたいと思います!

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Posted by 滋賀レイクスターズ.at 2012年06月08日18:38
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